君に疵を残すのが、この手だけであればいい
琥珀の瞳が、まるで熱しすぎた金属のようにどろりと、蕩けて。
「むくろを、かえせ…っ!!」
叫び声が、無機質の灰色を焼き尽くそうとするかのように、鮮やかに閃いて。
* * *
「駄目ダ」
「認メラレヌ」
男とも女とも子供とも老人ともつかぬ声が、ひどく無感情に空気を震わす。
まるで冷や水をかぶせるかのように。ひたすらに、平坦な声。
けれどその程度で冷める熱ならば今、綱吉はここにはいない。
「なんでっ!?マフィアに詳しくないオレだって分かる!六道骸の、今回の処遇は異例だよ。おかしい―――おかしいだろっ!?法で裁けない者を、―――誓いを裏切ったものを、マフィアの法で裁くのが、復讐者だってオレは聞いた!!」
「イカニモ」
「だったらおかしい!骸の罪を、どうして復讐者が裁く!?エストラーネオの壊滅か、マフィアの殲滅か、並盛の襲撃か、脱獄か、どれを裁くのかなんて知らないけれど、どれにしたって、それは骸の犯した罪でしかないだろう!?なのにどうして、お前たちなんだ!?」
「それは『マフィア』の罪じゃない!六道骸はマフィアの被害者であっても、マフィアであったことなど、誓い立てたことなど、一度もないだろう…っ!?」
そう。
何よりもまず、そこが解せないし、許せない。
骸たちが―――骸や、犬や、千種が、エストラーネオによる非人道的な研究の成果における被害者であったとして、それでも、それ故に、彼らがマフィアの誓いを口にしたことなど一度だとてないだろう。
捕えられるべきでなかったなどとは、口が裂けても言えない。
もし裁かれたところで、罪の全てが、購えるとは思えない。
奪われた人の命は、たとえ一人分だとて、奪った人一人の命で購えるほど安いわけは、絶対にない。
それでも購わなくては、償わなくてはならないのだ。
犯した罪の重さだけ、背負って、まみれて、生きていかなければならない、のだろう。
けれど。
これは、間違っていると。
生きながらに死に浸らせているような、この状況が間違っているとだけは、はっきりと言い切れる。
「復讐者は、マフィアの法の番人だって、聞いた!」
「左様」
「正シク、ソノ通リ」
「じゃあどうして、骸はそこにいるっ!?」
「マフィアの法で裁けないはずの骸が、どうして…っ!」
水牢の中。
チューブとコードに包まれるように浮かぶ姿は、いつか視たよりも更にやつれている気がして。
憤る感情を、抑える術など、分からない。
そんな風に、飴色の眸を燃え上がらせ、斬り込むように、灼き尽くすように、苛烈な光で睨みつけてくる綱吉に、けれど真っ向からその視線に身を晒す三人の異相の人影は、わずかもたじろぐ様子なく。
「コレハ、異ナコト」
「コノ男ハ、誓イ立テタダロウ?ボンゴレ十世。―――ソナタガ、誓イヲ立テサセタ」
違うか?と問われれば、綱吉の顔から明らかに血の気が、引く。
霧の守護者。
その指輪、を。
―――確かに骸に託したのはボンゴレ、―――綱吉だ。
経緯や真相はともかく、唯一骸に、マフィアの前に、膝をつかせたのは、紛れもなく間違いようもなく、自分だ、
それでも。
「―――それ、でもっ!骸がソコにつながれる理由にはならない…っ!!」
誓い立てただけでは、復讐者の鎖に繋がれる理由にはならない。『誓い』を『裏切る』ことが、復讐者にとっての罪のはずならば。
掠れる必死の声に、けれど返る声は。
「裏切ッタダロウ?」
「コノ男ハ裏切ッタダロウ、ソナタヲ。―――ドン・ボンゴレ」
「知ラヌノカ、ボンゴレノ王。コノ男ハ我等ト取引ヲシタ―――自ラガ檻カラ出ルタメニ、ソナタヲ消ス、ト」
それはこの社会において、許されるべからざる罪だ。
返る声は、どこまでも無機質。
その、復讐者の答えに、綱吉の飴色は零れそうに茫然と見開かれて。
「骸が―――牢から出るために、オレを、売った……?」
茫然と。
あるいは、ぼんやり、と。
紡がれた言葉は、まるで復讐者のそれが乗り移ったかのように感情の色を窺わせずに、涸れて。
裏切られたと、知ったゆえの、衝撃かとも感じられる。
けれどそれにしては、その瞳に宿る光の強さに混じることのない絶望や怒りの色が、おかしい。
けれどそんな綱吉の様子に気付くことなく、或いは頓着することなく、それに応じるのは、形ばかりは仰々しい、如何にも、という声。
「如何ニモ、ボンゴレ十世。六道骸ハ、ソレヲ願ッタ」
「…それ、を。お前たちなら、叶えられるっていうの、か?」
掠れた声。哀しいほどに、縋る声だ。
まるで地獄に一筋落とされた蜘蛛の糸に必死で縋る罪人のように、どこまでも紡ぐ声は必死に縋る。
まろい瞳は琥珀を脱ぎ落し、ただ甘いばかりの鼈甲飴のあまやかさに潤んで、目前の異相の男達をただぼんやりと、映し取る。
「六道骸を檻から確実に出すことが、お前たちなら適うっていうのか―――復讐者…っ!」
それは一縷の望みを繋ぐ声。
その後に、希望以外が待っていることを頑なに退けようと、希望だけに縋りつこうとする、愚かなまでに人間の声。
「アア」
「アア、出セルトモ、ボンゴレノ王ヨ」
「否、」
「ムシロ、我等ヲ除イテ、コノ男ヲ鎖カラ外シ得ルコトノ適ウ存在ナド、コノ世ニアリハシナイ」
ソナタニモ無理デアロウ?ドン・ボンゴレ。
続けられるその言葉に、ひくりと白い喉から引き攣れた息飲む音。
それは図星を差されたゆえの。
如何に力を用いようと、綱吉には骸を牢から出すことはできても鎖を外すことはできないから。
けれど。
それでも、枷を外すくらいのことは、できると信じて。
「それでも、……何もできないわけじゃ,ない」
絞り出す、声音に。
けれど、返るのは無機質な――――それは嗤い、だったのか。
「ソナタニデキルコトナド何モナイ」
「何ガデキルトイウノダ、ボンゴレノ王―――タダ生キルモノノ国ノ、王」
「・・・・・・どういう、こと」
掠れた声で、問いを重ねる。
黙した瞬間に呼吸を忘れ崩れ落ちるとでも言うように、無理矢理に喉を開き色を失った唇を震わせる。
分かりやすく、蒼白となったその表情。
「血ノ性(サガ)ニ囚ワレシ外レモノノ王。光ノ秩序デ生キテイケヌモノタチノ秩序ガソナタダトスルナラ、我等ハソナタトハ相容レヌ。ソナタガ我等ヲ支配スルコトハ永久(とこしえ)ニナイ。我等ハ闇デスラ生キ損ネタモノタチノ墓場」
「ドコマデモ、ソナタハ血ノ業ニ『生キル』モノタチノ王ナノダ」
「……だから、それが、…何」
震える声が、紡ぎだす言葉は不可解に揺らぐ。
個のない声が畳み掛ける、その言葉の意味も意図も、掴めずに。けれどその声の含む、不吉さだけはひどく露骨で。
―――どうしてそうも殊更に、『生きるものたちの王』繰り返し、強調して見せるのか。
「ソレガ、法、ダ」
しかし、そんな綱吉の様子を気にするげでもなく、淡々と復讐者達は声を返す。
「ソレコソガ、コノ地ノ法デアルカラダ。ボンゴレ十世」
「我等トソナタノ境(さかい)ハ、沈黙ノ掟(オメルタ)」
「沈黙ノ掟ヲ破リシ者ハ、死ニヨル永久ナル沈黙ニヨッテノミ、罪ヲ清メ得ル」
「シカシ」
―――ああ、
「シカシ、六道骸ハ、」
もうどこからその声が響くのかすら、分からない。
がんがんと、響くように頭が痛むのは、一体何の警鐘。
「六道骸ハ、死ニモノダ」
「生ナキ屍」
「首ヲ落トサレシ死体」
「我等ガ、同胞(はらから)」
ボンゴレ十世、と。
呼びかける声にふと交じる、混ざり物だらけの、これは殺気、だろうか。
―――何の、警鐘?
「っ、は…は、」
声が。
笑い声になり損なった激した声が、零れる。
ぼろぼろと、喉を伝い唇から溢れて、ただ虚しく宙に溶けて床へと落ちる。見開いた飴色の瞳は、声と同じくらい、乾いて涸れて。
「骸が…、六道骸が、死んでる?」
響く声は、低くなりきらなかった少年の色を濃く残し。繊細というほど細い声ではなかったはずなのに、乾き罅割れたそれはひどく脆く、空に散る。
乾き切った飴色の双眸が真っ直ぐに、灰色を鈍く吸い込む水牢を映して。
「―――じゃあ、そこに浮かんでるのは誰だよ。その大仰な装置で縛り付けて生かしているのは、誰だって言うんだ…っ!!」
叫ぶ綱吉の声は、悲鳴に似て、悲鳴でない。
懇願、或いは嘆願。
それは悲鳴というにはあまりに願いに縋り過ぎた声だ。
もう目に入っているのは水牢の中、無数の枷と鎖とコードとチューブに繋がれ絡め取られて縛されたまま、静かに漂う青年だけ、で。
その前に佇む、言葉を交わしているはずの黒ずくめの異相の集団など目の端にもかからないのだろう。
その証拠に、その内の一人がじり、と一歩足を踏み出したことにも、気付かない。
「六道骸ダ」
綱吉の叫びに応じるように、再び声。
そして当然のように折り重なり畳み込まれる、声。
「イカニモ。アレハ、六道骸ダ」
「心臓ハ脈打チ血液ハ巡リ肺腑ハ酸素ヲ取リ込ミ脳ニハ電流ガ流レテイヨウ」
「シカシ」
「アレハ脱殻」
「アレニ中身ハ―――自我ハ、ナイ」
「自我、或イハ魂」
「アレハ肉塊」
「アレハ器」
「元カラシテ、彼ノ者ノモノデハナイ」
「骸ハ骸ニ、巡リ還ッタ」
「ソレデモソナタハ、アレヲ生キテイルトイウカ?」
自我のない、中身のない、死んでいないというだけの肉の容れ物を。
もともとが、六道骸という男のものですらなかった、肉体を。
それでも生きていると言い切れるのか。
「ボンゴレ十世」
そくりと背を駆け抜け脳を痺れさせる悪寒、は、一体何に起因するのか。
死、ならぬ死。
死すら取り上げられた男は、では一体、どこに属せばいいというのか。
「成程ね」
飼い殺す気か、と。
低い声が、凛と場を打つ。
その声の本来持つ低く柔らかとさえ聞こえる声の響きは、そこに宿る意思一つでひどく硬質で剣呑なものと聞くものの耳に感じさせる。
「六道骸は、君たちと同じであると同時に、君たちにとっては貴重なサンプルで、同胞で―――救いでもあると,いうわけか」
復讐者、と。
今までずっと傍観の構えを崩さなかった雲雀が、興を引かれたというようにおもむろに口を開く。
驚いて目線で振り仰ぐ頭半分は高い位置の美貌は、どこか危うく笑んでいて。
「復讐者。マフィアの法の番人などと今では認識されているらしいけれど、その本態はマフィアに対する復讐を胸に秘めた、マフィアの犠牲者たちの寄り集まりだ。外れ者の墓場の守人。生きながら死に、死にながらに生きている―――まるで、どこかの馬鹿を思い出させるね」
ねぇ、なんて。
薄らと笑みを掃いた唇で横目に問われても、呆然とその言葉に聞き入るしかできない綱吉には、応じることなど適うはずもなく。
「だからこそ六道骸を、捕えたんだろう?君たちと同じでありながら、反して確立した自我を保ち続けているアレを。復讐者の初代とも言える、霧と同じ瞳を持った、あの男を」
「―――どういうこと、ですか……?」
呆然と。
見開いた飴色に無機質に何も映さないように見開いて、呟くように問いかける綱吉に。
「どういうもこういうも。君は、赤ん坊に聞いてないの?ボンゴレの成り立ちを。初代ボンゴレの成したことを」
「ボンゴレ、を。ボンゴレファミリーを、作ったんでしょう……?」
「他には?」
「…・……?」
怯えたような瞳で見上げてくる、その首は傾げられることはないけれど、それでも雄弁に雲雀に疑問を訴えかける。
それ以外に、何があるのか、とでも言いたげに。
その様子に大方の事情を察したらしいのは雲雀だけで、面白くもないような嘆息一つ零した後に、口を開く。
「成程ね。誰も君に、教えていなかったわけだ。…本当、過保護」
誰が、と雲雀が言うことはなかったが、その言葉が指す人物が大体分かった綱吉は、あのスパルタのどこが過保護なんだろうか、と黒衣の赤ん坊の姿を思い浮かべながらぼんやりと思う。
それでも、心の片隅でどこが納得するような思いがあるのも事実だけれど。
「まあ、君自身も、それからそこに浮かんでる奴も、大概過保護みたいだけど」
不意に変化した口調は、そうしてそのまま視線ごと綱吉から外されて正面に並ぶ黒衣の異相の男達へと向かい。
ひたりと見据える漆黒に、浮かぶのは剣呑でありながら愉悦を秘めたもの。
そして、薄い唇からおもむろに紡ぎだされるのは。
「ねぇ、復讐者。クローム・髑髏という名の女を、知っているんだろう?」
―――それ、は。
綱吉が、骸が、そしてもしかしたらリボーン辺りまでもが、必死で復讐者たちの情報網から隠そうとしていた、少女の名。
それを至極あっさりと告げてよこした雲雀は、それと同じ呆気なさで、知っているだろうと、問いにすらならない確認の調子で突きつける。
「六道骸が、守ろうとしていたことも。だからこそ、君たちはソイツ自身でも、次期十代目の名を持つこの子でもなく、あの女を狙ったんでしょ」
そしてそれは、きっととても、簡単なこと。
「元々、自分―――自我、とでも呼ぶべきものがひどく薄かったけれど、あんなに希薄になったのは君達のせいだ。六道骸の力で生かされているあの女は、いわばそれだけ繋がりが強い。それなのに、彼女自身の『核』ともいえる自我がなくなれば?そうなれば、自然、その肉体の支配権は誰に移ってしまうのか、君達は分かっていた―――識(し)っていたんでしょ。そいつがそれを、望んでいないことも」
六道骸は、復讐者からだけは隠そうとしていたみたいだけれど。
皮肉に告げる言葉の真意を分かるのは、きっと告げる本人だけだろう。
らしくもなく、見誤ったのは骸だ。
騙して、騙されて、裏をかいて、裏を読んで。
それが日常の、世界で。
恐らく当人たちには互いの思惑全てなど読みきれてはおらず、そして傍観者の立ち位置を動かなかったからこそ、動けなかったからこそ、雲雀はその大半を、見切ることができたのだろう。
そう、六道骸は見誤っているのだ。
詰めが甘かったと、言ってもいいだろう。
髑髏との繋がりを一方向的にとはいえ絶つようになり。
『脱獄』と称し髑髏以外の肉体―――復讐者の肉体に憑依するような真似をして見せ。
できる限り髑髏に及ぶ影響を減らそうと、骸は使う力を差し控えるようになり。
だからこそ、任務を求め、予想通り回されてきた綱吉の護衛を引き受け、リボーンは雲雀の油断を誘い。
そして。
「そうして彼は、君達との取引に応じた」
「…とり、ひき?」
「そう。―――復讐者に属することで、鎖を解かれることに。そして、そのために、次期ボンゴレ十代目を消すことに」
彼は、応じた。
「六道骸は、確かに『復讐者である資格』を持っているからね」
そして、その取引に骸が応じたと、言うのなら。
―――その始まりを、至る流れを、作ったのは一体、誰だと。
始まりを、髑髏の衰弱を導いたのは。
きっかけを。
作ったのは。
綱吉たちの目の前で。
真白の包帯に肌という肌を覆われ、古風な黒のマントとスーツに身を包んだ、異相の男たちではないのか、と。
「六道骸の力は、存在は、復讐者たちにとってひどく魅力的なものだ。―――それが、マフィアの黎明期からマフィアに囚われている復讐者を救うかもしれないという点において」
沈黙を揺らすひどく響き好い声が淀みなく紡ぎだす、それは真実、なのだろうか。
真実、なのだとしたら。
「……そんなこと、の、ために……」
ぽつり。
思わず毀れる言葉、は。
紛うことなく、居並ぶ男達の中の、何かを逆撫でしたのだろう。
「ソンナコト、トソナタガ言ウカ」
「ボンゴレノ王。十代目、ドン・ボンゴレ」
その、続けられる言葉、は。
恐らくきっと、告げるつもりではなかったろう類の。
「ソナタコソ、ソノ冠ヲタダノ私利私欲ノタメニ使オウトシテイルノデハナイノカ」
「……なんの、こと」
白を切る、というよりは、ひどく驚いたような調子。
けれど、その色素の薄い顔色は、緊張のためか強張り、薄く蒼褪めるよう、で。
それに畳み掛ける言葉の群れは、ひどく淀みない。
「ソナタニ王タル資格ガナイトイウコトダ。ボンゴレ十世」
「神ノ教義ニ触レタコトノナイ者」
「血ノ性(サガ)ノ吹キ溜マリタル地ヲ治メル身デアリナガラ、血ヲ厭ウ者」
「異国ヨリ来(キタ)ルモノ」
「ソシテ、何ヨリ」
一度、切られる言葉が唐突な沈黙と静寂を生む。
身体中に刺すように、それとも舐めるように感じる視線は復讐者たちのものだけではなく、恐らく雲雀のものも。復讐者たちの、実態も得体も知れないようなひどく不快で気持ちの悪いものに混じって届く、ひどく鋭く切り込むようなそれは、けれど気持ちよいと感じられるほど柔なものではなくて。
ぐぅ、と喉の奥が奇妙に鳴るのは、恐らくひどく息の詰まるせい。
そして、沈黙に真っ先に耐えられなくなったのは、当然といえば当然のように。
「―――なにを、言いたい…?」
それをお前達に、言われなければならないのか、と。
沈黙を破って、絞り出すように問う声が掠れて揺れる。
呻きのように痛む声に、けれど対する復讐者達はといえば泰然と何も感じぬように。
「何ヨリ」
何事もなく、繰り返される台詞に、続けられる、のは。
「疑ワシキハ、罰セヨトイウコトダ」
「ボンゴレ十世」
淡々と、紡がれる音。
頭がおかしくなりそうなほどに『個』のないその声。
何のことだ、と眩暈を堪えて強い眼差しのまま綱吉が睨み返せば。
「ソナタハ何ヲ目的トシテ、ソノ座二着ク?」
―――沢田綱吉。
ぞくり、と背筋を滑り落ちる悪寒。
理由も知れず、見透かされたと、感じた―――。
--------------------
next or back