A n y d a y . . ...
するりと、手首を辿る長い指先。
自分と一つしか歳が違わないのだから、つまりはやっと17歳になったばかりのはずだと言うのに、その手指の骨格はしっかりとした大人の色があって骨ばって堅い。
いつまで経っても子供のような細くどこか肉の柔らかい自分の手は、今は更に肉が削げ落ちて骨と皮ばかりにすら見え、余計に貧相だ。
「…綱吉くん、何か食べたいものないですか?」
「なに、骸。くすぐったいよ」
いま夕飯食べたばかりだろ。
細い指に指を絡め、薄ぺらな手のひらを撫ぜてそしてその細さを確かめるように、きゅ、とわずかに強い力で前腕の二本の骨や痛々しい突起の浮かぶ長袖から伸びる綱吉の手首に指を回す。
まるで何か恐れるように、力を込めきれていない指先。
その指先の触れるほんの少しかさつく肌は、けれどそれでも肌理はまだ細かくて、そして陽を知らぬように白い。
元々がどちらかと言えば白い綱吉の肌だったが、その白さはいっそ病的なように見る人の目に映る。
「うーん…じゃあ、あれがいいな。いつものホットミルク」
茶化すように吐息で笑った綱吉は、詰るように向けられる二色に少し困ったように薄茶色の瞳を空に巡らせる。
そして思いついたようににこりと、ひどく透明に微笑んだ綱吉の笑みに骸はひどく難しげにその眉根を寄せる。
整った容貌だからこそ、ひどく凄みの増すような。
「…ホットミルク、ですか」
「うん。お前の作るホットミルク、好きだよ。甘くて、身体があったまる」
だから、作って。
笑って、持ち上げた手で軽く押し返すように骸の腕を押して。
その表情に、仕草に、骸が気付かれないように唇の裏を噛むようなのをこっそりと眺めながら、口の中だけでごめんね、と呟く。
―――ごめんね、
もうすぐ、願いを叶えてあげられる、から。
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